又、従来は、住民票は地方自治体、運転免許証は警察署など、一人の国民に必要な届出・申請書類は異なった場所へ出向かなくては入手できなかった。しかし、行政における情報の一元管理が実現されることにより、一ヶ所で全ての手続きを行うことができるようになることが期待される。いわゆる、ワンストップサービスといわれるものである。
又、国民が、役所まで出向かなくとも、図書館、公民館、コンビニ、将来は各家庭の端末から届け出ができるようになることも期待できる。さらに、自治体間の連携により、例えば本籍が遠隔地にあっても現住所から申請を行うことができるなどのサービスの高度化も期待できるだろう。
(情報提供サービス)
情報提供サービスにおいては、情報提供手段が従来の紙に加えて、CD−ROM、インターネット、パソコン通信など多様になるため、情報入手の利便性が向上することが期待される。又、情報の一元管理により、様々な場所に出向かなくとも、身近な端末からまとめて情報入手することが可能になると思われる。
このように、CALS的アプローチを進めることにより、業務の全プロセスを通して業務の効率化を図ることができ、さらにはより業務を高度化した付加価値の高い国民サービスを実現することにつながるものと期待される。しかし、このような情報システム環境の達成は一朝一夕で行うことのできるものではなく、様々な課題も存在していると思われる。
以降、その課題について整理していきたい。
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